国税職員の異動期の税務調査に異変 ~「真夏にも調査しない」は今や昔!~
これまでの税務調査の通説として、7月は全国の国税職員の人事異動があり、8月は調査先がお盆休みの時期に入るということで、「真夏に税務調査はしない」といわれてきた。7月は国税当局の事務年度初めということもあり、税務調査は6月末までに一応の区切りをつけておき、7〜8月は前事務年度からの持越し事案か、秋の本格的な調査シーズンに備えた机上調査に力を入れる期間、とされていた。
ところが、数年前から少し状況が変わってきているという。「異動時期に調査の空白期間が生じないよう、内示日から動くように変えた」と語るのは、地方国税局の幹部経験もある国税OB税理士だ。
国税職員の人事異動の発令日は7月10日だが、その1週間前に内示がある。内示段階で自分が動くか分かるため、残留となった調査官は、その日の午後には選定済みの調査先に事前通知を発送。早々に調査を実施、お盆休み前に何件か片付けるのだ。残留組がこの時期しっかり動くことで、調査の空白期間がなくなり件数が稼げる、という。通則法改正による調査手続きの見直し等で調査件数が激減しているなか、1件でも数をこなしたい国税当局にとってこの“奇策”は無理なくハマり、今は全国に広がっているという。
「真夏に税務調査はしない」というのは今や昔。調査件数が減少傾向にあるなか、国税当局はこれまで以上に念を入れた準備調査に加え、実地調査もお盆前に数件はこなしている。世の社長たちも税理士も、認識を改めておく必要がある。
« 人事が抱える注目度の高い課題を編集 ~『日本の人事部』が初の『人事白書』~ | トップページ | 企業行動規範対応チェックシート発行 ~東商、社会的責任対応度を確認しよう~ »
「税務調査 他」カテゴリの記事
- 2023年度の査察、151件を摘発 検察庁に66.9%の101件を告発(2024.07.26)
- 税務署の内部事務のセンター化 内部事務を専担部署で集約処理(2024.06.05)
- 法人6万2千件を実地調査 申告漏れ所得7801億円を把握(2023.12.20)
- 効率的・効果的な所得税調査実施 追徴税額は過去最高の1368億円(2023.12.12)
- 22年度税金のムダ遣い580億円 税金の徴収漏れ約2億4千万円(2023.11.27)
« 人事が抱える注目度の高い課題を編集 ~『日本の人事部』が初の『人事白書』~ | トップページ | 企業行動規範対応チェックシート発行 ~東商、社会的責任対応度を確認しよう~ »
コメント