半年で41人死亡、増える被災地の労災 ~建設需要高まる背景に深刻な人手不足~
今年、岩手県釜石市の自動車専用道路で起きた労災事故。土砂を運ぶトラックが道路から転落し作業員1人がケガをした。作業員は現場経験が1年ほどしかなかったことがわかり、その背景には経験の浅い人でも雇わざるを得ない人手不足にある。
作業員の経験不足が労災事故を招き、被災3県では、今年半年間で去年の2倍、41人が亡くなっていた。被災地の、ある道路復興現場では多くの人が建設業界に入って1年から2年という、信じがたい浅い経験者が仕事についていた。それでも雇用しなければ予定通り工事が進まない採用側には賃金など労働条件で、どうしてもベテランを好条件で雇用できない台所事情がある。
最も大きな課題は、未経験者ほど仕事の内容を指示しても、それが何のためにやるか体得していないので潜在危険を察知できないことだ。不安全行動が重大事故を惹起する「ヒヤリハット」行動とは、建設業界で生まれた高所作業の、いわば「原理原則を守る」戒めだ。足場が悪けれは作業中、「ヒヤリ」と冷や汗をかき、安全ベルトを中途半端に装着していれば「ハッ」と気づき、自戒するという警告である。
2020年東京オリンピックなどで建設ラッシュが見込まれる東京。被災地と同じように労災が起きないためにも安全対策が急務だ。「ヒヤリハット」という言葉が生まれたのは1964年の東京オリンピック後で戦後復興の時代だった。
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