予測しにくい“標準が壊れていく社会” ~身につけよう生活設計力(将来展望力)~
生命保険文化センターが行った「これからの時代の生活設計」の研究報告は、「標準が壊れていく社会」と読み取れる。「近年、生活者の状況は大きく変化してきています」と前置きした上で、急速な高齢化に伴う高齢者世帯の増加、晩婚化・非婚化、少子化、離婚率の上昇とそれに伴う母子・父子世帯の増加、単身世帯の増加など、世帯構造は大きく変化し、従来、生活設計の標準モデルとされてきた『夫婦と子ども』世帯は、今日ではもはや『標準』とは言えない状況」と指摘する。
「さらに、非正規雇用者や所得水準が一般的に低い層の拡大など、一定の収入が続くことが前提となっていたこれまでの生活設計の手法を見直すべき状況に至っています」と告げる。
調査結果では「自分や家族が収入を失った経験がある」14%、「収入の大幅な低下を経験したことがある」19%。収入の途絶・低下経験者の61%は、問題状況から「脱した」「近く脱する見込み」としているが、「問題状況は継続中」は33%。多額の支出経験の回復状況は「解消した」46%、「続いていて、深刻な影響がある」14%、「緩和されたが、続いている」39%。
将来の生活をイメージしていない人は27%で、主な理由は、「今の生活が精いっぱいで、先のことまで気が回らないから」「先のことを考えても仕方ないから」が、若年層に目立つと報告書が危惧している。
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