新事業へ挑戦、グレーゾーン解消制度 ~健康寿命延伸産業で役所が進出手助け~
高齢者や要介護者が人口構成に大きな比重を占めるようになると、関係省庁もかつてのように「縦割り行政」では限界をきたす。医療・介護が厚労省、介護・ロボット機器が経産省、介護食が農水省、社会福祉が文科省など、専門が重なる「学際」現象が起こる。
特に厚労省と経産省は最近、健康寿命延伸産業と銘打って、この両省に関心の高い事業者ニーズに対して、基本的な法令解釈や留意事項をガイドラインとしてまとめ、事業者の手助けを行うことになった。これがグレーゾーン解消制度である。
この用語は法令に定めた法律用語ではなく通称とされる。役所が新分野開拓に民間へ便宜を図ってくれるのは歓迎だ。
この制度はあらゆる分野の事業が対象だが、特に健康寿命延伸産業は専門的、複雑で関連する法令が多く、企業間では新規参入がしづらいとの不満があった。そこで進出を試みる事業者が、規制当局又は利害関係者とのトラブルリスクを未然に回避することを目的に生まれた。
もう一つ、グレーゾーン解消制度を補完する「企業実証特例制度」がある。「2つは姉妹のような制度」と政府はみている。グレーゾーン解消制度を利用したが規制に該当し意図していた事業活動ができなくなった場合、企業実証特例制度の「規制の特例」に挑戦できる提案制度だ。
アベノミクスのチャレンジ精神を追い風に健寿命延伸産業は、今が好機到来といえる。
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