ちば会計

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2014年4月

2014年4月26日 (土)

経団連-賃上げ幅7697円、連合-6381円 ~春闘総括、賃上げ波及は中小まで至らず~

 安倍政権は、昨年末の『政労使会議』で「企業収益を賃上げにつなげ、消費を増やす経済の好循環を実現する」との狙いで、日立やトヨタ自動車など企業トップに、異例の「賃上げ」を約束させる、官製主導型の春闘を実現して見せた。労使の間では「絵空事」などの冷ややかな見方もあったが、それは中小企業全体まで波及してこない現実を知っているからだ。

 4月半ば春闘を総括する形で経団連は、従業員500人以上で東証1部上場の大手企業240社を対象に実態を集計、分析した。経団連の総括は、4月中旬の集計データは昨年と同じ41社分だが、平均賃上げ幅は7697円(昨年比1646円増)と大幅増、賃上げ率にして2.39%(昨年は1.88%)、7000円台に乗せるのは1998年以来、16年間で最も高い水準となった。

 連合も春闘の結果について、4月中旬の集計で回答した2510組合の平均引き上げ額は6381円。引き上げ率が平均2.18%だったと発表した。前年同時期の引き上げ率1.77%を上回った。安倍首相は経済財政諮問会議で春闘評価を「大・中小企業も賃上げの手ごたえを感じた」と政労使が一体となった成果を持ち上げた。しかし「今春闘は政府主導」「大手企業が応じた形」「賃上げ波及は中小企業まで来ない」などと、連合や日本商工会議所などが、来年以降の持続性と先行きを懸念する。今後、景気も含め持続性がカギだろう。

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政府、減価償却制度の見直し検討 ~選択適用できる定率法を縮小・廃止か~

 法人実効税率の引下げ議論とその代替財源を模索する動きが加速している。4月14日に開かれた政府税制調査会では、租税特別措置の見直しとともに、減価償却制度の見直しが検討された。

 減価償却は、その使用または時間の経過に応じて徐々に費用化する仕組みだが、その方法として、(1)毎年均等額の減価償却費を計上する「定額法」と、(2)毎期首の未償却残高に一定率を乗じた減価償却費を計上する「定率法」の2つの方法がある。

 現在、企業は機械や装置などの設備投資にかかった費用を計上する場合、定額法と定率法のどちらかを選択適用できるが、長い目で見れば、どちらも納める税金の総額は変わらない。ただし、定額法は毎年の税負担は一定だが、定率法は、初期段階での生産性が高い減価償却資産について適合する方法といわれ、投資後の当初の費用計上を定額法よりも大きくすることで、税の初期負担を軽くできる。

 見直しに当たっては、「減価償却方法の選択制を認めている結果、その時々の損益状況に応じた節税効果の観点から選択される場合が少なくなく、こうした状況は税制本来のあり方からみて是正されるべきではないか」との意見が出された。

 さらに、収益力の低い投資など非効率な投資を助長する結果となっているのではないか、との意見もあった。これらを踏まえ、資産の使用実態を考慮しない法人の任意による減価償却方法の選択可能性は縮減し、定額法に統一すべきとの案が出ている。

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2014年4月23日 (水)

新事業へ挑戦、グレーゾーン解消制度 ~健康寿命延伸産業で役所が進出手助け~

 高齢者や要介護者が人口構成に大きな比重を占めるようになると、関係省庁もかつてのように「縦割り行政」では限界をきたす。医療・介護が厚労省、介護・ロボット機器が経産省、介護食が農水省、社会福祉が文科省など、専門が重なる「学際」現象が起こる。

 特に厚労省と経産省は最近、健康寿命延伸産業と銘打って、この両省に関心の高い事業者ニーズに対して、基本的な法令解釈や留意事項をガイドラインとしてまとめ、事業者の手助けを行うことになった。これがグレーゾーン解消制度である。

 この用語は法令に定めた法律用語ではなく通称とされる。役所が新分野開拓に民間へ便宜を図ってくれるのは歓迎だ。

 この制度はあらゆる分野の事業が対象だが、特に健康寿命延伸産業は専門的、複雑で関連する法令が多く、企業間では新規参入がしづらいとの不満があった。そこで進出を試みる事業者が、規制当局又は利害関係者とのトラブルリスクを未然に回避することを目的に生まれた。

 もう一つ、グレーゾーン解消制度を補完する「企業実証特例制度」がある。「2つは姉妹のような制度」と政府はみている。グレーゾーン解消制度を利用したが規制に該当し意図していた事業活動ができなくなった場合、企業実証特例制度の「規制の特例」に挑戦できる提案制度だ。

アベノミクスのチャレンジ精神を追い風に健寿命延伸産業は、今が好機到来といえる。

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急速に導入が進んでいるペイジー ~導入自治体は21都府県、40市区町~

 税の徴収率向上は地方自治体の尽きない悩み。窓口納付のみならず、口座振替、コンビニ納税、eL-TAXと納税手段の多様化に努めてきたが、近年、急速に導入が進んでいるのが「Pay-Easy(ペイジー)」だ。自治体だけでなく、国や民間企業でも利用が進んでいる。

 ペイジーは現金を用意する必要がなく、役所や金融機関に出向かずに、近くにコンビニがなくとも、自宅等から手続きできるのが一番のメリット。窓口とは異なり、第三者に税額を知られる心配もない。

 公金取扱サービスがスタートした2004年1月からの10年間で、自治体の導入団体は東京都等21都府県、千葉市・横浜市など9政令市を含む40市区町に広がり、取扱金融機関も都市銀行・地方銀行をほぼ網羅するまでになった。ペイジーの運営・普及にあたる日本マルチペイメント推進協議会・同運営機構によれば、今年度の自治体の公金取扱件数は年間1200万件(対前年度比117%)、取扱金額は1兆4000億円(同110%)になる見込みという。

 また、取扱いできる税目や料金は自治体によって異なるが、自動車税・事業税などの府県税、住民税・固定資産税・軽自動車税などの市町村税をはじめ、使用料・手数料、国民健康保険料など幅広いことが特徴だ。役所から届いた納付書にペイジーマークがあればこのシステムを利用できるが、領収書が出ないことが難点。領収書がほしい場合は他の納税手段を利用する必要がある。

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2014年4月10日 (木)

ふるさと納税、件数増でも金額が小口化 ~被災地応援が薄れ特産品目当て増か?~

 ふるさと納税は都道府県や市町村を選んで寄付する。東日本大震災のあった2011年には都道府県と市町村合わせて130億円を記録したが、12年以前の過去5年間で100億円を超えたのは、この2011年だけだ。総務省の調査では、「ふるさと納税」制度を導入した2008年に5万4004件(一部の災害義捐金除く)だった個人の自治体への寄付件数が12年に2.3倍の12万1858件まで増えた。11年も件数は11万件を超えている。

 これに対して、寄付額は77億円から96億円へ25%の増加にとどまった。1件あたりの平均寄付額は14万2582円から7万8780円に減った。13年の寄付金は未集計だが小口金額が予想される。

 2013年4~11月までの都道府県の受け取った金額のベスト5は、上位から順に鳥取(金額1億2775万円 件数9177)、岩手(7098万円 1439)、福島(4289万円 875)、長野(3680万円 2668)、佐賀(1964万円 798)。5県の共通項には特産品が豊富で被災地が2県入っていること。

 ふるさと納税はどこの自治体でも、お礼に特産品の中から1品目選んで送ってくれる仕組みになっている。寄付額が1万円以上なら5千円程度の特産品で対応するところが多い。しかし震災翌年には約50億円も減ったのは、特産品が寄付額に見合わない倹約派が増えたか、純粋に被災地への応援派が減ったか、この税制の地方への税収移管が目的には無理があるのかも?

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12年度分の赤字法人割合は70.3%  ~企業の交際費支出は6年ぶりに増加~

 国税庁が公表した「2012年度分会社標本調査」結果によると、2012年度分の法人数は253万5272社で、前年度より▲1.7%減で3年連続減少した。うち、連結子法人(9288社)を除いた252万5984社のうち、赤字法人は177万6253社で、赤字法人割合は70.3%となり、前年度の2011年度分から2.0ポイント減少したものの、高水準に変わりない。

 2012年度分の営業収入金額は、前年度に比べ8.7%増の1386兆1038億円と増加に転じ、黒字法人の営業収入金額は同32.7%増の1018兆1159億円、所得金額も同20.1%増の40兆7636億円と大幅に増加、ともに3年連続の増加となった。

 赤字法人割合は高水準だったものの、順調に景気回復を図っている企業との二極化がうかがえる。

一方、2013年3月までの1年間に全国の企業が取引先の接待などに使った交際費は、前年度に比べ0.8%増の2兆9010億円と、6年ぶりに増加に転じたが、過去最高だった1992年分の6兆2078億円に比べほぼ半減している。

 営業収入10万円あたりの交際費等支出額は、全体では前年度より17円少ない209円で、資本金1千万円以下の階級が570円と高い一方、資本金が多くなるにつれ減少し、資本金10億円以上では99円と低い。また、業種別にみると、「建設業」が546円、「不動産業」が542円、「サービス業」が417円と高く、一方、「鉱業」が132円、「金融保険業」が136円、「機械工業」が154円と低くなっている。

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2014年4月 3日 (木)

小規模企業支援で初の基本法 制定 ~5~20人以下の企業334万社対象に~

 政府は3月初めに「小規模企業振興基本法案」を閣議決定したが、中小企業(約385万社)のうち、約9割を占める334万社の小規模企業のための基本法制定は初めて。これは昨年6月に策定した成長戦略路線の一環で、2020年までに黒字の中小企業、小規模企業を倍増させる計画だ。今秋までに5年間の基本計画を策定する。

 商業・サービス業では従業員5人以下、製造業、建設業などでは同20人以下の企業が対象。小規模企業を、地域の雇用や生活を支える担い手として位置づけ、販路拡大や新規事業の持続的な発展を支えることを目指す。

 小規模企業の課題は、売上げ減少、資金・人材不足による廃業の増加・開業の停滞、地域経済の活力低下などがあげられ、企業数はこの10年間で約2割減少している。このような課題に対し、国の基本的施策は①売上げの維持・拡大をめざす小規模企業のビジネスモデル再構築、②小規模企業に必要な人材の育成および確保、③小規模企業が地域経済の活性化に貢献する事業の推進などを定めた。さらに小規模企業が補助金などを申請する際、手続きが煩雑などの批判に対し負担軽減を盛り込んだ。この法案は、昨年同様、小規模事業者に焦点をあてた中小企業政策の再構築がテーマだ。今回、商工会・商工会議所による小規模支援法改正案も決まった。これに信金など地元金融機関、税理士会などとの連携も必須だろう。

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推計課税を相続税にも拡大する動き ~国税庁が3年越しで要望も実現せず~

 税務調査は、納税者が申告した所得金額が正しいかどうかを、総勘定元帳や補助簿、各種原始記録と照合し検討を行うことが大原則だが、帳簿の記載の不備や原始書類の保存状況が極めて悪いなどの理由から、納税者の資料では所得金額の検討ができないときは、納税者の生活状況や財産債務の増減、収支の状況、生産量、従業員数、同業他社との比較といった客観的な資料情報から所得金額を推計し、金額を決定する「推計課税」ができる。

 現在この推計課税が認められるのは法人税と所得税のみだが、これを相続税にも広げようという動きが国税庁にある。国税庁が独自の意見書として財務省に提出した内容は、「相続開始以前の一定期間中に、被相続人の財産を処分または被相続人が債務を負担したもので、その使途が客観的に明白でなく、かつ、その合計額が一定金額以上となる場合は、これを相続人が相続したものと推定し、相続税の課税価格に算入する制度を創設する」というもの。

 相続税の推計課税は、国税庁が2012年から3年越しで要望しているというが、3月20日に成立した2014年度税制改正法にも盛り込まれていなかった。しかし、2013年度税制改正において税率構造の見直しや基礎控除の引下げが行われるなど相続税への課税強化路線にあるなか、国税庁が簡単に諦めるとは考えにくく、2015年度税制改正でさらに強気の要望を載せてくる可能性は高い。今後の動きに注目しておく必要がある。

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