経団連-賃上げ幅7697円、連合-6381円 ~春闘総括、賃上げ波及は中小まで至らず~
安倍政権は、昨年末の『政労使会議』で「企業収益を賃上げにつなげ、消費を増やす経済の好循環を実現する」との狙いで、日立やトヨタ自動車など企業トップに、異例の「賃上げ」を約束させる、官製主導型の春闘を実現して見せた。労使の間では「絵空事」などの冷ややかな見方もあったが、それは中小企業全体まで波及してこない現実を知っているからだ。
4月半ば春闘を総括する形で経団連は、従業員500人以上で東証1部上場の大手企業240社を対象に実態を集計、分析した。経団連の総括は、4月中旬の集計データは昨年と同じ41社分だが、平均賃上げ幅は7697円(昨年比1646円増)と大幅増、賃上げ率にして2.39%(昨年は1.88%)、7000円台に乗せるのは1998年以来、16年間で最も高い水準となった。
連合も春闘の結果について、4月中旬の集計で回答した2510組合の平均引き上げ額は6381円。引き上げ率が平均2.18%だったと発表した。前年同時期の引き上げ率1.77%を上回った。安倍首相は経済財政諮問会議で春闘評価を「大・中小企業も賃上げの手ごたえを感じた」と政労使が一体となった成果を持ち上げた。しかし「今春闘は政府主導」「大手企業が応じた形」「賃上げ波及は中小企業まで来ない」などと、連合や日本商工会議所などが、来年以降の持続性と先行きを懸念する。今後、景気も含め持続性がカギだろう。
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