“経済の好循環に果たす役割を担う”春闘総括 超大幅増ベア「王将」
今年の春闘は6年ぶりのベア(ベースアップ)企業が続出した。自動車や電機などの大手企業では、三菱自動車が平均で2000円のベアで実に14年ぶり。日産は満額回答。自動車業界は円安などで業績が回復し、おおむね高い水準が目立った。電機業界は主要6社がベアに相当する賃上げとして月額2000円を回答。鉄鋼や重工でも2年間の合計で月額平均2000円のアップとなった。今季は異例づくめのベアといえよう。非製造業では、流通業界が消費税率引き上げの業績への影響が懸念されるなどの理由で慎重だったが、ローソンやファミリーマートなど流通小売は満額回答が目立った。
上場企業が、アベノミクスの「経済の好循環にいかに貢献するか」の協力要請に対して、経済界は、海外メーカーとの競争激化、コスト抑制が重要な経営課題の中、「経済の好循環に果たす役割を担う」として、ベアを決断したという。時の政権に誘導される形で昇給に応じるのも異例。
一方、今春闘の話題は「餃子の王将」を運営する王将フードサービスの超大幅ベア回答だ。前社長の横死にもめげず、ベア 10000円、 定期昇給7008円と、労組側の要求額の4倍にあたる超大幅なベア回答を行なった。これは月例給の引き上げが、社員一人あたり17008円となった! 王将は、外食中華の最大手の矜持を誇示するように、ベアや業務拡大、新卒採用増などを内外に示すイメージ戦略の意図もあろうが勇断に変わりはない。