医療施設にもQCサークル運動を ~国民皆保険を守るためのカイゼン~
元炭鉱の町として名をはせた福岡県飯塚市で全国から医師や病院経営者らが集まって「医療版トヨタ生産方式」の勉強会があった。医療版カンバン方式とは耳慣れないが、「病院でもムダを省いていこう」というのは歓迎されること。
「2014年診療報酬改定を少しでもプラス改訂」論議のさ中だから意義があるかもしれない。
会議のテーマはずばり「病院もムダのないカイゼン運動に取り組もう」だった。主催した飯塚病院の医療版品質管理プログラム(TQM)を全国で共有したいということが動機にある。
日本企業の改善運動は1960年代後半から、一部では「提案運動」と名を変えて全国的な大きなうねりとなった。時代を経て「QC(品質管理)サークル」へと発展する。ただしQCサークルなどの手法は絶対ではない。ムダ排除や品質管理を一丸となって取り組む姿勢が重要なのだ。
発表された飯塚病院での実践成果を列挙すると、「施術患者への説明から術前処置終了までの待ち時間163分→26分に短縮」、「針や注射器の容器、置き方を統一」(救命救急センター)、「転院時の待ち日数(ベッドの空き)平均13.5日→9.7日」など、画期的な効果を上げることに成功したのだ。
患者の満足度などが向上すれば病院関係者のモラールも高まる。すると安全など「質」が高まり経営の安定にもつながる。だから、国民皆保険制度を死守するための策がカイゼンなのだ。
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