植物工場、震災後に再び脚光 ~数は増えたが初期投資高が難点~
天候に左右されない、農薬を使わない、安定収穫が望めるなどの売り文句で、約10年前から国が奨励してきた野菜工場。今年3月時点で全国に153か所あり、4年前の約3倍。TPPや震災の農業復興の手段などで再び注目を浴びている。
しかし初期投資がかさむのが難点とされ、商品価格も割高で多くの生産者は採算をとるのに苦しんでいる。国の植物工場の事例集をみると、年間の生産額が3000~5000万円に対して助成金額が1~2億円、つまり設備投資、ランニングコストの両面で生産額とのバランスが取れていないのが実情のようだ。
植物工場の建設コストは100万/坪、123坪(406m2)の工場でようやく採算分岐点というのが定説。コストは償却30%、電力、肥料等30%、人件費30%を見込む必要があるという。
原発事故の福島県K村の場合は、国の復興交付金5億8千万円を利用して工場では一日8千株の野菜が生産できる千葉大学農学部圃場にある植物工場は近代的だ。406㎡の敷地に建物の中は10段階層になった栽培地で、葉物野菜が作れる大型設備。光源は主に蛍光灯を使用、一部LEDのコーナーもある、第二世代の植物工場だ。
国にはTPP参加構想があり「野菜輸出国」を目指すためには植物工場は魅力だが、ハウス・露地野菜にはない野菜工場製の野菜の優位性を発見するのが先決だろう。
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