女性管理職割合「10%未満」約8割 ~女性登用に対する企業の意識調査~
「過去5年間で女性管理職が増加した企業は16.8%」と帝国データバンクが女性登用に対する企業の意識調査結果をまとめた。「減少した」企業は4.3%、「変わらない」と答えた企業が72.1%と多かった。今年7月現在、女性管理職の割合は「10%未満」が80%を超えた。
同社の調査能力は、回答した企業が1万395社と広範囲に及び精度が高い。しかし「7割以上で女性登用に変化はなかった」ことに疑問点を感じ「登用しにくい(または、しない)」理由の本音を聞きだしている。
▽中小企業だと管理職で育児休暇を取られた場合補充できない、また復帰後ポストを空けるには降格者が出て現実的には難しい。労働市場が流動化すれば可能だが、雇用の不安定性もありどちらともいえない(清酒製造、兵庫県)。
▽結婚退職の女子社員が多く、社員教育のための投資が無駄になるケースを幾度となく経験したため、定着率が高い男性社員の登用が優先されがち(医療用機械器具卸売、千葉県)。
▽登用の必要性は感じるが、トラブルの解決法が複雑になり方策が見当たらない(機械同部品製造修理、岡山県)。▽管理職となると業務がきつくなる部署で働いている女性の場合、能力があっても管理職登用を拒否する事例が増えた(損害保険、東京都)。
「性差解消」に積極的なポジティブ・アクションへの取組も3割程度で高いとは言い難い。