団体交渉は約5割が「満足している」 ~5年ごとの「団交と争議の実態調査」~
厚生労働省で5年ごとに実施する「団体交渉と労働争議に関する実態調査」の平成24年の結果が発表された。対象は民間事業所の労働組合員数規模30 人以上の労働組合(単位組織組合・単一組織組合)。調査時点は昨年6月30日で全国4,891 労組のうち、回答率は64.3%。
労使関係が健全に機能しているかどうか、は健全経営のアイテムの一つ。当然ながら労使はいたずらに「団交」や「争議」など力技を振り回して互いが敵視するような時代ではない。
そういう感覚で調査結果を見ると、データとしては穏健に推移しているといえよう。例えば昨年6月時点で団体交渉を行った労組は66.6%(5年前の前回69.5%)。 団体交渉の現状では「満足している」(「大変満足している」3.3%、「おおむね満足している」45.8%の計)労組は49.1%(前回 48.6%)と5割に近い回答だ。
労使間の団交うちで話し合いが多い事項は「賃金額の改定」52.8%、「賃金制度」37.9%、「所定外・休日労働」24.1%。
労使協議機関の評価では、団体交渉と同様に「効果を上げている」や「ある程度効果あり」の合計が67.0%(前回69.9%)に達している。
一方で労働争議があった労組は3.7%(前回5.4%)。そのうちストライキなどの争議行為に入った労組は75.6%(前回87.8%)。肝心なことは、調査結果の数字の多くは5年前に比べ「労使改善」に向かっているという点だ。