ちば会計

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2013年5月

2013年5月29日 (水)

限定正社員という中間制度は過渡期? ~「解雇ルール見直し」案に波紋広がる~

 今、なぜ解雇ルールの見直しが必要なのだろうか。労働法的にも難解な課題の一つだ。正規雇用と非正規雇用の推移を見ると、2000年から非正規雇用の割合が増え、2010年には35%近くが非正規雇用になった。両者の中間にあたる限定正社員制度は、政府の調査によると50%以上で取り入れられている。

 政府の目論みは非正規労働者を限定正社員にシフトさせ、安定した仕事に就けるような労働市場を描くが、当然、労使の利害が相反する。  

 まず会社側は採用条件も限定して、正社員に準ずる「解雇しやすい正社員」扱いなのか。一方、限定正社員は、子育てや介護、転職などの目的に応じて、ある程度自由な働き方を選べる、WLB(ワークライフバランス)を目指すメリットを優先させたいのか、など働き方の多様化が「中間的雇用制度」を生んだともいえる。

 しかし今の論調は、限定正社員問題は「解雇しやすい立場」へ追い込む影の部分が本音か、それとも同会議の経営者側委員が提案している正社員となる「雇用維持型」から徐々に「労働移動型」へシフトするルール転換を断行したがっているのか、解雇ルールの見直し案が波紋を広げているのだ。

 これまでタブー視してきた解雇規制4要件などというキツイ単語が急浮上するのは日本型雇用形態の過渡期を意味し、解雇の仕組みの見直しなど、答えは来年度にも出る勢いだ。

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キャンセル料の消費税の取扱いに注意 ~事務手数料か損害賠償金的なものか~

 旅行を企画する際に必ず気にすることの一つにキャンセル料がある。このキャンセル料を会社等が支払った場合、企業の経理担当者としては、消費税の取扱いがどうなるのかは押さえておくべきポイントだろう。

 いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、その解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとの二つがある。このどちらに該当するのかによって消費税の取扱いが異なってくる。前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行う役務の提供の対価だから課税の対象となる。一方、後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補てん金だから、資産等の譲渡等の対価に該当せず、不課税取引となる。例えば、航空運賃のキャンセル料などで、払戻し時期に関係なく一定額を支払うこととされている部分の金額は、解約に伴う事務手数料に該当し課税対象となるが、搭乗日前の一定日以降に解約した場合に支払う割増しの違約金部分は課税対象とはならない。

 なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに、役務の提供である解約手数料等に相当する部分と解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金に相当する部分とが含まれているときには、その全体を資産の譲渡等の対価に該当しないものとして、全額を不課税取引として取り扱うこととされている。

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2013年5月22日 (水)

今年3月末「国の借金」997億円 ~国民1人当たり779万円の勘定~

 財務省がこのほど公表した2013年3月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は991兆6011億円となり、前回発表の過去最大を更新した2012年12月末時点(997兆2181億円)を5兆6170億円下回ったものの、2011年度末からは31兆6508億円の増加となった。地方が抱える長期債務残高は2012年度末で約201兆円程度と見込まれており、国と地方を合わせた借金は、大台の1000兆円を軽く突破する状況にある。

 昨年12月末に比べ、国債は約9.3兆円増の約821.5兆円で全体の約83%を占め、うち普通国債(建設国債+赤字国債)は、東日本大震災の復興債発行は約3兆円減少も全体では約14兆円増の約705兆円と過去最高となった。また、一時的な資金繰りに充てる政府短期証券は約16.1兆円減の約115.3兆円、財政投融資特別会計国債も約4.1兆円減の約109.3兆円とともに減少したが、借入金は約1.2兆円増の約54.9兆円と増加している。

 この「国の借金」991兆6011億円は、2013年度一般会計当初予算の歳出総額92兆6115億円の約11倍、同年度税収見込み額43兆960億円の約23倍である。

 年収500万円のサラリーマンが1億1700万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年4月1日時点での推計人口1億2734万人(総務省統計、概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、昨年3月末時点の約752万円から約779万円に上昇する。

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マーケティング・ミックス4Pの罠 ~製品の差別化成功は顧客視点が基本~

 マーケティング理論の「マーケティング・ミックスの4P」は1960年代初頭、アメリカで生まれ現代でも応用される。4つのPとは、製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)を指し、その組合せ如何で市場優位性を保てる、というもの。

 専修大・高橋義仁教授(商学部)は「それは市場での差別化」と同義で、「差別化製品は、マーケティング・ミックスの内、1つないし複数の点を差別化の対象とし、顧客から望ましい反応の引き出しに成功している」という。

 その好例としてヤマト運輸の宅配事業を挙げている。しかし一方では、顧客視点ではなく、自己満足(自社満足)と思えるような「誤った差別化」が横行しているとも警告する。それは海外で通用しない携帯電話、家電・電子製品等で、象徴はアップル社のiPhone、iPadが世界を席巻したことで日本の敗着を決定づけた。

 同教授は日本には「イノベーションのジレンマあるいは技術開発優位の罠がある」と指摘する。日本企業はこれまでアメリカにマーケティング理論など教えてもらい自動車を筆頭に成功をおさめてきた。しかし次代の差別化製品が生めなくて、例えば電子製品で苦戦しているシャープが新分野へ転進するという。

 4Pの基本として、顧客視点抜きでの差別化成功はあり得ないのだ。今、過去の栄光との決別に改めて4Pが注目されている。

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2013年5月14日 (火)

「貯蓄から投資」へ加速するか!? ~少額投資非課税制度、愛称はNISA~

 2014年1月に始まる少額投資非課税制度(日本版ISA)の愛称が「NISA(ニーサ)」に決まったことを受けて、証券会社各社や金融機関が一般投資家向けの金融商品の相談窓口の拡充や口座開設受付する体制に入った。ニーサは投資信託や上場株式等のための非課税制度だが、日興アセットのように「投資マル優」と併記するなど、かつての人気制度・マル優のイメージを前面に出す会社もある。各社のパンフレットでは購入の仕方など懇切・丁寧さが目立つ。

 ニーサの特徴は、たとえば非課税になる金額の上限は、2014年から2023年(10年間)で、毎年100万円(最大500万円まで)。年間100万円の範囲内であれば一括でも複数回に分けて使用することもできる(2年目からは前年の上限が100万円未満であった場合でもその部分に対し追加購入することはできない)など。

 ニーサは「投資マル優」を謳い文句にするくらいだから投資元本の、き損リスクが低いなど、投資の初心者も呼び込むことで投資家の裾野を広げることを目的としている。さらに今、長期的収益の積上げを目指す金融商品を待望する経済環境の好機と判断したと専門家は分析する。

 一方、MRIインターナショナル事件などで投資信託への不安感は消えない。しかし世界的な金融緩和で、日本人~とりわけ中高年が神話のように堅守してきた「投資より貯蓄」志向の殻は破られるか、来年以降、見ものである。

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生命保険活用の決算対策の注意点 ~役員対象は定期同額給与なら損金~

 赤字傾向ではあるが利益対策はしておきたいという会社の間で近年、生命保険を活用した決算対策が浸透してきた。王道は養老保険のハーフタックスプラン。会社を契約者及び満期保険金受取人、役員及び従業員を被保険者、死亡保険金受取人を被保険者の遺族とした場合、会社が支払う保険料の2分の1を損金に算入できる。

 満期の際は満期保険金額と資産計上額の差額が雑収入となるが、全額を退職金として支払うことで損金算入できる。ただし、支払保険料を福利厚生費で落とす場合は「普遍加入」が条件となるので注意が必要だ。役員だけを対象として保険に加入する場合、保険料の2分の1は給与扱いとなるが、「定期同額給与」とみなされれば損金に算入できる。定期同額給与は、「その支給時期が1ヵ月以下の一定の期間ごとである給与でその事業年度の各支給時期における支給額が同額であるもの等」とされている。

 そこで、月払保険料は含まれても、年払いや一括払いについては「1ヵ月以下の一定の期間ごと」という表現にひきずられて含まれないと思いがちだ。しかし、月払保険料を基礎として算定されたもので、「経常的に負担するもの」であれば定期同額給与とみなされる。ただし、一時払いの保険料については、もともと一時払いを前提に設計されたもので「月払いの変形」というものではない。このため、国税庁では、保険料相当額をまとめて支給したものと考え、定期同額給与とは認めていない。

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2013年5月 1日 (水)

中小企業白書、今年で発行50年 ~情報技術活用と事業承継がテーマ~

 2013年版中小企業白書は、1964年(昭和39)に第1回白書が発表されてからちょうど50回目となる「記念」の年に当たる。1963年7月に中小企業基本法が制定され、これ以降、年次報告として同白書が発表されることとなった。

 東京オリンピックや高速道路網に象徴された高度成長は、中小企業にとっては大企業とのさまざまな格差に見られる「近代化の遅れ」の積み残しでもあった。第1回白書で取り上げた流通、生産性、収益、資金調達、労働力事情、製品価格等についての中小企業の「近代化の遅れ」という企業構造は、今も大変革したとは言い難い。

 50年目の中小企業白書のテーマは情報技術活用と事業承継の2点に絞ったと読み取ることができる。一つは中小企業の経営課題解決のための情報技術の活用が進んでいない状況を課題にし、これが資本生産性向上の遅れの背景と指摘する。

 もう一つ「事業承継のタイミング」と「経営者の世代交代は企業と地域にどのような変化をもたらすか」。すなわち事業承継時の現経営者の年齢が若いほど、承継後の業績が向上する傾向が見られる。また地域や社会への影響では、中堅企業の約7割、小企業の5割強で世代交代が地域や社会に好影響を与えたという。

 結論は、事業承継の意義は企業の存続はもとより、新たな経営者の手によって企業が更なる発展を遂げ、地域や社会と一層強く結び付いていくことにあるといえようと結んでいる。

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2013年分路線価は7月1日に公表 ~公示地価に連動し5年連続下落か~

 国税庁はこのほど、2013年分の路線価を7月1日(月)に全国の国税局・税務署で公表する予定であることを明らかにした。

 路線価は、相続税や贈与税における土地等の評価額算定の際の基準となるもの。
昨年7月に公表された2012年分の路線価では、標準宅地の平均額が前年を2.8%下回り、実質的に4年連続の下落となった。路線価は、1月1日を評価時点に、公示価格の8割程度が目安とされている。

 今年1月1日時点の公示地価は国土交通省が今年3月に公表したが、全国全用途平均で前年比1.8%減と5年連続で下落した。

 しかし、下落幅は縮小傾向を示し、地価が上昇した地点は、前年の546地点から2008地点へと大幅に増えた。全国の住宅地は1.6%減、商業地は2.1%減と、ともに下落幅は前年より縮小しているが、公示地価の下落に伴い、路線価も5年連続の下落となる公算が強いとみられている。

 ところで、5年前の2008年分からは紙による路線価図等(冊子)を国税局・税務署に備え付けないことになった。

 2008年以降、国税局や税務署の窓口には、路線価図等閲覧用のパソコンが設置されている。混雑時は待つ必要も出てくるが、自宅や会社のパソコンから国税庁のホームページの「路線価図等の閲覧コーナー」にアクセスすれば、従来どおり、全国の過去3年分の路線価図等を見ることができる。

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