マーケティング・ミックス4Pの罠 ~製品の差別化成功は顧客視点が基本~
マーケティング理論の「マーケティング・ミックスの4P」は1960年代初頭、アメリカで生まれ現代でも応用される。4つのPとは、製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)を指し、その組合せ如何で市場優位性を保てる、というもの。
専修大・高橋義仁教授(商学部)は「それは市場での差別化」と同義で、「差別化製品は、マーケティング・ミックスの内、1つないし複数の点を差別化の対象とし、顧客から望ましい反応の引き出しに成功している」という。
その好例としてヤマト運輸の宅配事業を挙げている。しかし一方では、顧客視点ではなく、自己満足(自社満足)と思えるような「誤った差別化」が横行しているとも警告する。それは海外で通用しない携帯電話、家電・電子製品等で、象徴はアップル社のiPhone、iPadが世界を席巻したことで日本の敗着を決定づけた。
同教授は日本には「イノベーションのジレンマあるいは技術開発優位の罠がある」と指摘する。日本企業はこれまでアメリカにマーケティング理論など教えてもらい自動車を筆頭に成功をおさめてきた。しかし次代の差別化製品が生めなくて、例えば電子製品で苦戦しているシャープが新分野へ転進するという。
4Pの基本として、顧客視点抜きでの差別化成功はあり得ないのだ。今、過去の栄光との決別に改めて4Pが注目されている。
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