輸出型企業の採算円レートは83.9円 ~内閣府 平成24年度企業行動調査結果~
平成24年度後半の主役は「アベノミクス」だった。まだ25年度早々だが、この新語の分析で代表的なのが「マネーが先行しヒトの営みが見えない」(少子高齢化問題への対応策がない)という冷静さを促す論調が出始めている。
そんな中、内閣府から平成24 年度企業行動に関する調査結果が発表になった。これは、 企業が今後の景気や業界需要の動向をどのように見通しているかについて毎年調査する。
為替レートは前年度調査(82.0 円/ドル)から1.9 円円安方向(6年ぶり)に転じたが、輸出型企業は採算円レート(全産業)を83.9 円/ドルとはじき出した。採算円レートを業種別にみると、平均(全産業の採算円レート)に比べ「繊維製品」(91.9 円/ドル)「鉄鋼」(90.2 円/ドル)等で、円安水準。「医薬品」(79.0 円/ドル)「卸売業」(81.7 円/ドル)等は円高水準。
平成25 年度実質経済成長率見通し(全産業)は1.2%で、4年連続プラス。次年度の業界需要の実質成長率見通し(全産業)は1.0%で3年連続のプラス。ただし実質経済成長率見通しと比べると「次年度」「今後3年間」「今後5年間」ともに、業界需要の実質成長率見通しのほうが低い。中でも、製造業の「輸送用機器」「非鉄金属」「電気機器」などの低下幅が大きい。「建設業」「小売業」などは上昇した。企業はアベノミクスに浮かれていないという結果で、政府の地に足がついた次善策が待たれる。
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