所得税調査で申告漏れ9592億円 ~申告漏れワースト業はキャバレー~
国税庁がこのほど発表した2011事務年度(11.7~12.6)に実施した個人事業者等に対する所得税調査状況によると、同事務年度の調査件数は、前事務年度が東日本大震災への対応に事務量を投下していたこともあり2.5%増加の77万4千件で、このうち48万7千件(前年度比6.7%増)から前年とほぼ同額の9592億円の申告漏れ所得金額を把握、加算税を含め1162億円(同6.2%減)を追徴している。
調査のうち、文書や電話等による来署案内をして指導を行う「簡易な接触」を除く申告漏れが想定される者に行われる実地調査をみると、高額・悪質な不正が見込まれるものを対象とした「一般調査」及び多額な脱漏が見込まれる者を対象に10日以上をかけて深度ある調査を行う「特別調査」は合計で5万7861件(同1.0%増)、申告漏れ所得等の把握を2~3日間で行う「着眼調査」が4万829件(同9.1%増)行われている。
また、特別調査では4万9568件から4867億円、着眼調査では2万8405件から1015億円の申告漏れ所得金額を把握し、加算税を含めそれぞれ830億円、63億円を追徴している。
1件あたりの申告漏れ所得高額業種をみると、キャバレー(申告漏れ額2896万円)、風俗業(同2135万円)、情報サービス(1425万円)がワースト3を占めている。特にキャバレーは、直近の申告漏れ割合でも81.5%と他業種に比べ高く、調査した5件に4件で申告漏れが把握されたことになる。
« 起業には「失敗は必要なプロセス」 ~全日米起業協議会が指導者へ報告書~ | トップページ | 2011年度税金のムダ遣い5296億円 ~税金の徴収漏れは約2億3千万円~ »
「国税・法案・申告・e-tax」カテゴリの記事
- 帳簿の提出がない場合等の整備 過少申告加算税等の加重措置(2022.08.08)
- 2021年度物納申請はわずか63件 件数はピーク時のわずか0.5%(2022.08.04)
- 21年度査察、摘発件数は103件 告発分脱税総額は最少の61億円(2022.07.22)
- AI税務職員「チャットボット」 インボイス制度相談がスタート(2022.06.17)
- 土地建物を売却したときの特例 保証債務履行のためは非課税(2022.05.27)
« 起業には「失敗は必要なプロセス」 ~全日米起業協議会が指導者へ報告書~ | トップページ | 2011年度税金のムダ遣い5296億円 ~税金の徴収漏れは約2億3千万円~ »
コメント