消費税率、2段階で10%に引上げ (相続税の基礎控除縮小)
政府は1月6日、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革の素案を正式決定し、消費税率を2014年4月に8%(地方消費税分1.7%)、2015年10月に10%(同2.2%)に2段階で引き上げる税制抜本改革案を公表した。
政府素案は、消費税率引上げとともに、個人所得課税や資産課税等の見直しを通じて高所得層の負担を増やす考えを示した。これらの改正内容を盛り込んだ法案を今年度中に国会へ提出する。
消費税率引上げは、社会保障の安定財源確保と財政健全化を同時達成するための第一歩と位置づけ、低所得者に対しては、社会保障・税番号制度の導入を前提に、現金給付と税金の控除を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入を検討する。
また、食料品等に対する軽減税率の適用は、高額所得者ほど負担軽減額が大きくなることや事業者の負担が増すことなどから、今回は見送り、単一税率を維持する。
消費税率の引上げにより低所得層の負担感がより大きくなることに伴い、高所得層の負担増を求める。個人所得課税では、現行の所得税の税率構造に加えて、2015年分の所得税から課税所得5,000万円超の税率を45%に引き上げる。
資産課税では、相続税の基礎控除について、定額控除を3,000万円(現行5,000万円)、法定相続人比例控除を600万円(同1,000万円)に法定相続人数を乗じた金額に、それぞれ引き下げる。
また、税率構造についても、最高税率を、現行3億円超の金額50%から6億円超の金額55%に引き上げるなど、現行の6段階から8段階に見直す。
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