2012年度税制改正大綱を閣議決定 研究開発税制延長など内容は小粒
政府は10日、2012年度税制改正大綱を臨時閣議で決定・公表したが、来年度改正は、消費税率の引上げなど税制抜本改革の本格的審議を控えるだけに、全体として小粒な内容となった。
法人課税では、研究開発税制の上乗せ特例の継続、再生可能エネルギー投資を加速させるための環境関連投資促進税制の拡充、雇用の大半を担う中小企業を引き続き支援するため、中小企業投資促進税制の拡充・延長等を行う。
研究開発税制は、試験研究費に係る税額控除又は平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除を選択適用できる制度の適用期限を2年延長する。
中小企業投資促進税制は、対象資産に製品の品質管理の向上に資する試験機器等を追加するとともに、デジタル複合機の範囲の見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
そのほか、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を2年延長、交際費等の損金不算入制度について、中小法人に係る損金算入の特例の適用期限を2年延長する。
個人所得課税では、2011年度税制改正で積み残しとなっていた給与所得控除や退職所得課税の見直しが盛り込まれた。
給与所得控除は、その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合に245万円の上限が設けられる。
退職所得課税は、勤務年数5年以内の法人役員等の退職所得について、累進緩和措置の2分の1課税を廃止する。これらの見直しは、個人住民税にも反映される。
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