事業者免税点制度の見直しを要請
会計検査院はこのほど「消費税の課税期間に係る基準期間がない法人の納税義務の免除について」の報告書を公表し、財務省に、事業者免税点制度の見直しを求めた。
事業者免税点制度は、課税期間に係る基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として消費税の納税義務が免除されるもの。
1994年度税制改正で、新設法人のうち、その事業年度開始の日における資本金が1,000万円以上の法人は、基準期間が存在しない設立2年以内の納税義務が免除されないこととされた。
同院の調査では、課税事業者だった個人事業者206人が2006年中に資本金1,000万円未満で法人成りして、第1期及び第2期課税期間は、たとえ事業収入が増えていても消費税は免税となっていた。
また、資本金1,000万円未満の新設法人のうち、増資により資本金1,000万円以上となり第1期課税期間が免税となっていた法人が10社、第2期事業年度開始の日の翌日以降に1,000万円に増資、第1期、第2期課税期間が免税となっていた法人が29社あった。
さらに、設立2年以内の免税を受けた後に解散した法人、無申告、免税適用後の第3期事業年度以降に他の新設同族法人へ売上を移転するなどの操作をしていた法人も24社あった。
政府は、2011年度改正で、課税売上高が1,000万円を超えることが事業年度の中途で明らかになった場合には翌事業年度から課税事業者とする改正を行ったが、事業者免税点制度については、今後さらなる検討を財務省に求めている。
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