仮決算による中間申告納付の改正 還付加算金制度の濫用防止が目的
1年決算の法人は、事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内に中間申告書を提出し、法人税を納付しなければならない。
ただし、前年度納税額の2分の1の額が10万円以下の場合は中間申告する必要はない。つまり、前年度納税額が20万円以上であれば、中間申告しなければならないわけだ。
ところで、2011年度税制改正のなかに「法人税の中間申告制度について、次の場合には、仮決算による中間申告書を提出できないこととする」との改正が含まれている。
それは、①前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額が、10万円以下である場合またはその金額がない場合、②仮決算による中間申告書に記載すべき法人税の額が、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、これに6を乗じて計算した金額を超える場合、このいずれかに該当する場合は中間申告書の提出ができなくなるというものだ。
改正された理由は、現在の経済情勢では還付加算金の割合(今年は年4.3%)が市中金利に比較して高率であることに着目して、仮決算をすることにより予定納税額を超える中間申告を行って、確定申告によって生じた還付金について還付加算金を受領している事例が、会計検査院の調査によって指摘されたことがベースになっている。
そのような還付加算金制度の濫用を防止するための措置というわけだ。この改正は、今年4月1日以後に開始する事業年度について適用される。
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