中小企業庁 2011年版「中小企業白書」を公表
中小企業庁は7月1日、「平成22年度中小企業の動向」及び「平成23年度中小企業施策」、いわゆる「中小企業白書」を公表した。
東日本大震災が発生した本年の全国の中小企業の景況DⅠ(前同月に比べて、景況が「好転」と答えた企業の割合から、「悪化」と答えた企業の割合をひいたもの)をみると、
震災前(11年2月) 震災後(11年3月)
全国 ▲38.2 → ▲55.1
関東・甲信越 ▲38.4 → ▲61.2
北海道・東北 ▲35.8 → ▲65.3
と東日本を中心に大幅に低下するなど、中小企業の業況は、震災の影響により大きく悪化した。
震災の影響としては、多くの中小企業から、取扱商品の不足・価格高騰、自粛ムード・節約意識の高まりなど、消費マインドの低下による影響を受けたとの声があったという。
一方で、被災地域の中小小売店が、被害の少なかった店舗で、震災当日から営業を行ったり、地元の他企業に販売場所を提供するなど、地域間での協力がなされ、地域住民の生活を支える中小企業の産業・生活における重要性が再認識されたとした。
また、国内需要の収縮、震災後に一層高まったエネルギー供給の制約等、多くの課題がある中で、中小企業が成長していくためには、労働生産性を向上させることが重要であるとし、市場拡大、技術革新等の取り組みを行っていく必要があるなどとした。
中小企業庁の行った調査では、中小企業が国外との経済提携の進展により想定されるメリットとして、新たな海外販路開拓、関税撤廃や貿易手続の円滑化による費用削減、質の高い外国人材の活用などが挙がっており、、多くの中小企業が国際展開によるメリットを認識・期待している。
今後とも高い成長が見込まれる国外からの事業機会を取り込んでいくため、商品、サービスの競争力の強化など、中小企業も国際展開を含めた取組が必要であるとした。
(週刊 税務通信 No.3172より)
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