10年度査察は248億円の脱税把握 196件着手、検察庁に告発156件
いわゆるマルサと呼ばれる査察は、脱税でも特に大口・悪質なものが強制調査され検察当局に告発され、刑事罰の対象となる。
国税庁がまとめた今年3月までの1年間の2010年度査察白書によると、査察で摘発した脱税総額は前年度を約42億円下回る248億円だった。検察庁に告発した件数は前年度より7件多い156件だったが、告発分1件あたり平均の脱税額は同3,400万円減の1億3,700万円と減少に転じた。
2010年度1年間に全国の国税局が査察に着手した件数は196件(前年度213件)、継続事案を含む216件(同210件)を処理(検察庁への告発の可否を最終的に判断)し、うち72.2%(同71.0%)にあたる156件(同149件)を検察庁に告発した。
告発事件のうち、脱税額(加算税を含む)が3億円以上のものは前年度を2件下回る15件、脱税額が5億円以上のものは前年度と同様の6件だった。
近年、脱税額3億円以上の大型事案が減少傾向にあり、2010年度の脱税総額248億円は、ピークの1988年度(714億円)に比べ3割半ばまで減少している。告発件数の多かった業種・取引(5件以上)は、昨年度に引き続き、都市部における地価高騰の影響を受けた「不動産業」が13件で最多のほか、「建設業」と「運送業」が11件、「商品・株式取引」が10件、「人材派遣業」が5件など。
2010年度の特色として、技能習得を目的とした外国人研修生を日本企業にあっ旋する「外国人研修生受入事業」や過払金返還請求等の業務を行う「認定司法書士」の告発があった。
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