被災者の所得税を10年分から減免 厚労省、地震対応の労務対策を通知
被災者の所得税を10年分から減免11日以後の国税の申告期限も延長
3月11日、東北・三陸沖を震源とする国内観測史上最大のマグニチュード9.0の東日本巨大地震が発生し大きな被害が広がっているが、財務省は12日、今回の地震での被災者の税負担を軽減すべく、住宅家財等の損失に係る雑損控除及び災害減免法による減免を、2010年分所得で適用できるようにすると発表した。また、事業用資産の損失も2010年分の事業所得の計算上、必要経費に算入できるようにする方針だ。
災害により、住宅や家財などに損害を受けたときは、①確定申告で所得税法に定める雑損控除、②災害減免法に定める税金の軽減免除のどちらか有利な方法を選ぶことで所得税を軽減できる。現行法では、その適用は損失が起きた年(2011年)が対象で、減税や還付は本来、来年以降となる。
しかし財務省は、早く税軽減を受けられるよう2010年分確定申告でも認めることを決めた。2010年分か2011年分かは被災者が選択できる。
また、国税庁も12日、今回の地震が所得税・贈与税の申告・納付期限(3月15日)が差し迫っている中で発生したことから、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の納税者に対しては、3月11日以後に到来する国税の申告・納付等の期限を延長することを決めた。他の地域の納税者についても、交通途絶などで申告等が困難な場合は、所轄税務署長に申し出れば、申告等の期限延長が認められる。いつまで延長するかは、今後、被害の状況をみて検討する。
厚労省、地震対応の労務対策を通知被災者救済に各種保険などで特例
政府は3月11日に起こった東北関東大地震を激甚災害に指定した。厚労省は被災状況を把握すると共に各種の救援・支援対策を通知した。労務関係の主な特例は次の通り。
健康保険では、被保険者証などを紛失または自宅や会社に残したまま避難している被災者は、保険医療機関に提示できない場合が想定される。このため厚労省は、氏名、生年月日、事業所名(被用者保険の被保険者)を、国民健康保険・後期高齢者医療制度の被保険者は住所を申し立てることで、医療機関を受診できる取り扱いとする。また、保険者(政府や市町村)の判断によって、健康保険の一部負担金の減免や保険料の納付期限の延長などができる。被災者は、処方箋の交付がなくても医薬品を処方してもらえる。
事業所が被災し事業休止した等の理由で就労ができず賃金を受け取れない状態の人は、失業給付され、被災者の失業給付は、住所地以外のハローワークでも受給できるようにする。労災保険給付の請求については、事業主や病院等の証明が困難な場合は、証明がなくても請求を受け付けることにした。
ハローワークは失業の不安や雇用維持等、被災中の様々な仕事関連の相談を受けるための特別相談窓口を設置した。被災した自治体によっては窓口を閉鎖しているため要注意。地震に伴う傷病の業務上外等の考え方についての問い合わせは労働局で受け付ける。
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