商社・地銀、環境激変で農業へ進出~活性化が期待できる攻めへの転進
現在、政治・経済の主要テーマでTPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡る最大の関心事が農業だ。この農業ビジネスを好機と捉える各業種の中で先行しているのが大手の商社7社。
商社の農業関連ビジネスは、運営・支援・開発・販売のいずれかに進出している。異色なのが地方銀行等の金融機関。金融庁は毎年「地域密着型金融の取組事例集」(先進的で広く実践されることが望ましい例)をまとめている。その中で北海道、東北、東邦、大分、第四などの地方銀行が、地元農業支援策に積極的だ。
商社はTPPの恩恵を最も受けやすいだけに「食糧安全確保」の橋頭堡となる自負がのぞく。過去の失敗から農業ビジネスに消極的だったが、環境が激変した。地銀は関税撤廃時代を見据え、地域経済という基盤を守ろうとする。
東邦銀行は、農家や畜産・水産業など一次産業を強化するための専門チーム(農業経営アドバイザー3人)を作り、本格的な支援を目指す。急浮上したTPP論議に農家は危機感を強めていたものの、農家だけでは実現できない東京市場への販路確立と安定が見込め、銀行は融資先でもある農家の経営の安定を望んでおり、両者の思惑が一致した。
2年前の「東邦・農商工連携ファンド支援資金」の創設や、商談会「ふくしまフードフェア」などの開催と、相次いで活性化策を打ち出している。商社は国内農業進出には元々慎重だが、地銀等の“農業再生策”で相乗効果が期待できる。
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