法務省 第4の遺言方式を創設へ 「保管証書遺言」の新設を提言
法務省の法制審議会はこのほど「民法(遺言関係)等の改正に関する要綱案」を取りまとめた。
これは、デジタル社会の進展に対応し、民法制定以来続いてきた「紙と印鑑」中心の遺言実務を抜本的に見直すもの。
審議会は、この要項の中で、遺言の新たな方式として「保管証書遺言」の新設を提言している。
「保管証書遺言」とは、パソコンやスマートフォン等を用いて作成したデジタルデータを、正式な遺言書として認める制度。
従来の自筆証書遺言では全文の手書きが必須だったが、新方式ではデジタル入力が可能となる。
ただし、真正性を担保するため、手続きは厳格だ。
作成したデータには電子署名等を施した上で、法務局の「遺言書保管官」の面前で、遺言者がその全文を読み上げる「口述」を行わなければならない。
この手続きには、ウェブ会議システム等を用いて、映像と音声により保管官と対面する方法も認められる。
また、「自筆証書遺言」についても大きな変更が加えられる。
全文、日付及び氏名を自書すれば、実印等の押印がなくとも有効な遺言として扱われることとなり、無効トラブルの原因ともなっていた押印要件が廃止される。
さらに、死期が迫っている「死亡危急時遺言」等においては、従来の証人による筆記に代わり、「録音及び録画を同時に行う方法」、すなわちビデオ撮影による遺言が解禁される。
この場合も、ウェブ会議を通じて証人を立ち会わせることが可能となる。

