外国人旅行者向け消費税免税制度 出国時に返金する「リファンド方式」へ
外国人旅行者が、いわゆる免税店で土産品等を購入した場合に、その消費税が免除される「外国人旅行者向け消費税免税制度」。
この制度は、土産品等を国外へ持ち帰ることは、実質的に輸出と同じであることから設けられている制度だ。
近年、訪日外国人の増加に伴い、この免税制度を不正利用するケースが相次いでいる。
金地金や高額なブランドバックなどを免税で購入し、それを国内で「税込価格」で販売すると、消費税相当分がそのまま利益になってしまうためだ。
このように免税店で購入した商品を国外に持ち出さない場合、通常は税関で消費税が徴収されることがルールとされている。
ところが、会計検査院は令和5年度決算報告の中で、令和4年度に合計9名、総額34億円の消費税が税関で徴収されていなかっ
たことを指摘しており、不正利用を防止するための制度改正が急がれていた。
そこで今回の改正では、商品販売時に消費税を免税とするのではなく、出国時に持ち出しが確認された場合にのみ消費税を返金する「リファンド方式」へと見直されることとされた。
本改正に伴って、免税購入対象者は、購入した免税対象物品について、出国時にパスポートを提示して税関長の確認を受けることとされ、確認を受けた免税対象物品は必ず国外に持ち出すことなどが義務付けられる。
不正防止に大きく貢献することが期待される一方、旺盛なインバウンド需要に水を差す形にならないか懸念される。