2012年1月 5日 (木)

平成24年を迎えるに当たって (千葉和彦税理士事務所・千葉会計事務所)

 平成23年は、ほんとに激動の年でした。そして3月11日の未曾有の大震災は、あまりにもたくさんのものを奪い去り、深い爪痕を残しました。

あの日、松島商工会議所で税務応援をしていた私は「先生、津波が来ます。早く避難してください。」という緊迫した商工会の職員の声に促され、半信半疑で車に乗り込みました。事務所に戻る途中、ラジオから流れてくるニュースを聞き、言いしれぬ不安と恐怖を感じたのを、つい昨日のことのように思い出されます。幸いにも私は山沿いを走っていたのです。

 12月14日は当社のオーナーズセミナー懇親会でした。皆様に元気を与えたいという一心で開催を決めたものの、このような時期にやっていいものだろうかとも思いました。

しかし、100名近くの多くの方にご参加いただき、私は皆様との深い絆を改めて感じ、また感謝でいっぱいになりました。元気をもらったのは私のほうでした。これからもオーナーズセミナーを頑張って続けさせていただきます。

平成24年度も新春セミナーから開始です。今回講師にお呼びした鈴木丈織(すずきじょうじ)先生は、心理学をセールスとマーケティングに実践応用し、アサヒビール㈱をはじめ、多くの企業の指導をされている方です。

先行き不透明な時代だからこそ発想の転換が必要ですし、様々な角度から経営を考えてみる必要があります。ジョージ博士は、きっと皆さんに新しい時代に向けた何らかの気づきを与えてくれると思います。ですから、一人でも多くの方に是非参加していただきたいのです。当社のホームページでもご案内しておりますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。

 さて、平成24年度も例外なく、少子高齢化を伴う人口の減少(平成17年の12700万
人をピークに毎年60万人ずつ減り続けている)、そしてまた企業数の減少(毎年10万社ほどの減少)により、我々を取り巻く経済状況はますます厳しくなってきています。

俗に言う、右肩下がりの時代というのがこれからの時代の特徴でしょう。しかし、恐れることはありません。このような時代こそ原点に立ち返り、経営の基本原理を忠実に守り実行していけば、この厳しい環境も乗り越えることができるからです。

先ず、経営理念をしっかり打ち立て、あらゆる機会をとらえて社内に浸透をはかり、その経営理念に従って我が社のあるべき姿・・いわゆるビジョンと言われるものを社内外に宣言しましょう。ビジョンとは5年後10年後に我が社がどうあるべきか、またどうなっていたいかを社内外に示すものです。

これは、仲間と社会に対する約束でもあります。次に経営方針を決め、拡大路線でいくか現状路線でいくかをはっきりさせます。無理に拡大せず、小粒でもピリッとした「ダイヤモンド経営」も選択の一つです。

そして、この経営方針をもとに、経営戦略・・誰に何をいくらで提供するか、戦術・・具体的な行動計画を盛込んだ経営計画を立て、実行し、チェックし、軌道修正をしていくことを毎日の経営活動の中で繰り返していきます。

これを地道に続けていけば経営は悪くなるはずがありません。まだ経営計画を立てていない社長様がおられましたら、是非立ててください。そのお手伝いは我々がいくらでもさせていただきますので、どうぞお申しつけください。そして、持ち前の「なにくそ!」の精神で、皆さんとこの厳しい経営環境を乗り切っていければと思います。

 

2011年12月28日(水)   著 者 千葉 和彦

 

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2011年12月 2日 (金)

お客様は誰ですか?-その②

 「あなたは何故、会計事務所をしているのですか?」「きっかけは、資本のかからない、転勤のない独立した仕事をしたかったからです。私は父の仕事の都合で小学校を三回も変わっていますので」といつものように答えました。

するとその方は再度「きっかけは分かりましたが、本当に何故、会計事務所をしているのですか?」としつこく聞いてきました。私は、自社の経営理念である「地元企業の存続・発展のためです。」と答えました。

するとさらに、その方は「では、どうしたら地元企業の存続・発展に貢献できると考えているのですか?」と畳み込むように聞いてきました。そしてさらに「社員の方も同じような気持ちで仕事をしているのですか?社員の方になぜ仕事をしているか聞いたことがありますか?」と聞いてきました。

そこで社員何人かに聞いてみました。最初は「所長どうしたのですか?」という顔をしながら「自分が生活するためですよ。」「自分と家族の生活を守るためですよ。」「自分の仕事ですから。」「自分のスキル向上のためですよ。」「将来、自分が独立するために今は一つでも多くのことを吸収しようとしているのですよ。」とどの答えも、もっともなことばかりでした。

しかし、良く考えてみると大事なものが欠落していることに気づきます。どの答えも、自分が、自分が・・・です。お客様からすれば「あなたの生活とか、あなたのスキルアップは私には関係ない。」ということです。

こちらの勝手な理論ではなく、お客さま本位のお客さまのためのサービスを提供するということでなければならない。人は自分のことと思わない限り燃えないものです。しかし、自分のためだけにやっていると、成長も発展性もないし喜びも薄い。

それが、家族のため、チームのため、会社のため、顧客のためと昇華していくことで、人として生まれてきた以上、社会の役に立ちたいという意識になれるのです。私の社長としての仕事は、自分自身も含めて、このように社会に役立ちたいという仲間を何人作れるかだとつくづく思いました。

 先日、ある方の紹介で新規の見込みのお客さまを訪問しました。規模も大きく、業績も良好、社長も良く人の話を聞いてくれそうなタイプ。しかし、よくよく話を聞いていくと、経営理念も経営計画もない・・・経営の定石というものを何もしてこなかった企業でした。

私は経営の基本原理をしっかりするだけで、さらに大きく飛躍できる企業だと見込み、初対面の社長に経営計画や経営戦略・戦術の話をついつい熱く話してしまいました。

帰り際の社長からの質問は「ところで、千葉さんのとこでは、税務申告もしてもらえるのでしょうか?」というものでした。そしてその後、その紹介者の方を通してお断りの連絡をいただきました。

 私は自分の話が相手に伝わらなければ、どんなに相手のためになるサービスと確信していても何もならないということを実感し、大いに反省しました。本当にお客さまのためになることをサービスを通して実現させ、感謝・感動していただくことが目的なのに、その意図が相手に伝わらなければ、何のサービスも提供できないのです。

私はこれであきらめず、そのお客様のために再度訪問したいと思っています。新しいサービスの提供は、根気よくお客様に伝えることでもあるからです。急に朝晩冷え込み始めました。健康に気をつけて、この師走を一緒に乗り切りましょう。

2011年11月28日  著者  千葉 和彦

2011年11月 7日 (月)

お客様は誰ですか? -その①

 いつも成績がトップの高校時代の私の友人が医者を志望し、国立の医学部を受験した。結果は残念ながら不合格。友人が生まれて初めて味わった挫折感。第二志望の国立の工学部に入学した。試験に失敗したとき、彼は「試験に落ちてよかった。俺みたいな人間が医者になったら、ますます人を見下していただろう。俺も周りも良かったと思うよ。」少しタカピーなところのある友人でしたので、私も内心「確かに」と納得しました。

 今でこそ、威張り散らしているお医者さんは見かけなくなりましたが、当時はどちらが客か(アメリカでは、患者さんのことをカスタマー{客}と言います。)わかりませんでした。皆さんもいろいろ思い当たるのではないですか。どうも先生とか師匠といわれる職業にこの勘違いは生じやすいようです。医者・各士業の先生方(弁護士・会計士等々・・・)・和尚さん・政治家・先生・お師匠さん・・・私の周りを見渡してもすぐに浮かんできます。

 すべてのビジネスは顧客で成り立っています。かの有名なドラッガー博士も「企業の目的は、顧客の創造である。」と話しています。どんなビジネスも無人島では成り立たないことを考えれば当然ですね。

顧客あってのビジネスということに異論を唱える人はいないでしょう。そのことから「どんな大会社の社長よりお客様は偉い」「お客様は神様です。」何でも要求に応えてあげなくてはならないと極端な主張をされる方もいます。しかし、そもそも売り手と買い手の関係に上下はありません。商いは昔から売り手と買い手は五分五分の戦いなのです。必要以上にペコペコ、揉み手などする必要はないのです。

 前記の先生方も上から目線を捨て、対等に接していただければすむことです。いまだに「税金をごまかして、安くしてくれるのが、税理士の役割だろう。お前は税務署の手先か」などと言う社長がいますが、きっぱりお断りしながら社長を説得します。社長に、嫌われても結局はその方がその会社のためになるからです。本当にお客様のためになることを、販売やサービスを通して実現させ、お客様から感謝・感動していただくことが本来の意味での「顧客第一主義」です。 

 では、顧客とは誰のことを言うのでしょうか?それは、ずばり「企業が提供する製品・サービスの価値を認めて購入しようとしている人」と考えます。すなわち、その方はその価値を認めながら、購入の決定権を持つと同時に支払い能力もある方ということになります。 

誤解を恐れずに言えば、小児科医のお客様は、患者の子どもさんではなく、お母さんやお父さんということになります。だからと言って、子どもの患者さんをちゃんと診察しないで、お母さんとだけコミュニケーションをとってもだめです。きちんと患者さんを見ながら、そのお母さんと意識してコミュニケーションをとり安心していただくということが重要です。

当社のお客様が顧問先の社長さんだからと言って、社員の方々に嫌われたのでは、結局社長にも嫌われることになるからです。まずは、貴社のお客様は誰か・・この機会にじっくり考えてみましょう。そしてそれぞれの顧客が明確になりましたら、いよいよ一緒に経営戦略の第一歩を踏み出しましょう。…その②に続く…。

2011年10月31日  著者  千葉 和彦

«自利利他の精神で